愛すべき日本に送る「真心」メッセージリレー
#04 ミハエル・シューマッハー
「昨日より今日、今日より明日」
ミハエル・シューマッハーは善意の人だ。それが彼のネイチャーなのか、つくられたキャラクターなのかを知る由もないが、少なくとも彼は困っている人々を見たら黙っていない。過去にも大きな災害があると、被災者を支援する人や企業のなかに必ず彼の名前を見つけることができた。2004年のスマトラ沖大地震の際にも、自分のボディガードが被災してしまったこともあり1000万ドルの義援金を寄付している。
今回の東日本大震災でも、M・シューマッハーはどのF1ドライバーよりも一足早くメッセージを発した。
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「日本の人たちを襲ったとんでもない出来事、恐怖といったほうがいいかもしれないが、その事実を知って僕は大変なショックを受けた。津波によっていくつもの街がすっかりなくなる光景なんて見たことがないし、そのときにそこに住んでいた人たちがどれだけの苦痛と恐怖を味わったかを想像するだけでも身体が震えてくる……」
M・シューマッハーのように世界的に名前が売れると、一言ひとことが大きな力を持つ。彼はそのことを自覚しているのだろう、心に響く言葉を発する。
「とても小さなことかもしれないけれど、被災した人たちが僕の想いを感じ取ってくれたらと思う」
彼はいつも最初に行動を起こす。今年の開幕戦オーストラリアGPでも、自ら進んで『がんばろう、日本』のステッカーをヘルメットに貼った。7度のワールドタイトル保持者として、彼は自らが何を為すべきかを自覚している。そして、彼が動けば他のF1ドライバーは当然のごとく追随する。リーダーシップとはこういうことだろう。そこに言葉は不要。行動あるのみなのだ。
だが、彼は言葉も大切にする。一言ひとこと探しながら言葉を紡ぐ。
「今回の地震と津波で家族や親戚、大切な友人を失った人たちの気持ちを考えると、本当に胸が痛くなる。いま僕が、彼ら彼女らに言えることは、この厳しい時期を乗り越えるために心を強く持ってほしいということだ」
じつは、M・シューマッハーはモナコGPのときに行われたチャリティーオークションに自身が以前使用したレーシングスーツを提供している。それは高額で競り落とされ、その売り上げとして集めたお金が年末までに東日本の被災地に届けられることになっている。
M・シューマッハーの個人マネージャー、サビーヌ・ケームはM・シューマッハーを最もよく知る人物だが、彼女は次のように言う。
「マイケル(シューマッハー)は大変慈悲深い人間です。いつも他人の痛みをわかろうとしています。困った人を助けてあげたいという気持ちを抑えられないのです。日本を襲った災害で被災した方々には、彼の心の底から発せられた気持ちが届くことを願っています」
7度のチャンピオンに輝いたあとで引退、3年のブランクを経てF1にカムバックしたM・シューマッハー。41歳という年齢で20代前半の若手ドライバーたちと渡り合っている。さすがにかつてのキレは見られないし、スピードも若干鈍ったのかもしれない。しかし、挑戦する姿勢は少しも変わらない。
「昨年より今年、今年よりも来年、と僕は常に考えている。それがモチベーションを保ち続けられる秘訣だ。被災した人も、昨日より今日、今日より明日、と希望を捨てないで生きてほしい。
必ず平穏は訪れる。亡くなってしまった人々の気持ちとともに、そんな時間がいつか持てるように、いまを生き抜いてほしい」
取材・文=メディアジャパン Coverage by Media Japan |